「婚活」と「ほかの社会生活」の違いを知るとラクになる

 私が婚活に関わって、よく感じることのひとつは、優しい人ほど責任感が強すぎて自分から疲れていってしまうことです。
 優しいことも責任感が強いことも大事ですが、婚活に疲れてしまってすぐにやめたり休んだりしては、どんどん婚期が遠のいてしまいます。
 それはとてももったいないです。
 そこで今回のコラムでは、優しすぎる人がなるべくストレスを少なく婚活するためのポイントをお伝えします。

目次:
1. 「婚活」と「ほかの社会生活」で求められるものは違う
2. ほとんどの社会生活は他人に合わせることで成り立つ
3. 婚活はまったくの他人から生涯の伴侶を見つける、特別な活動
4. 婚活は、他の社会生活と大きく区別して取り組もう
5. まとめ

「婚活」と「ほかの社会生活」で求められるものは違う

 優しい人が婚活するうえでしっかり意識すべきことは、「婚活」と「ほかの社会生活」で求めたり求められたりするものがまったく違うということです。
 広くいえばどちらも人間関係で、誠実さや礼儀、相手をリスペクトする気持ちなどが大切なのは同じです。
 ただ、さまざまな人と広く浅く付き合っていく必要があるほとんどの社会生活と、今後数十年以上にわたって生活を共にしていく結婚相手とでは、本質的に求めるもの求められるものは、大きく異なります。

ほとんどの社会生活は他人に合わせることで成り立つ

 職場・友人関係・サークルなどにおけるほとんどの社会生活は、日常生活を送っていくうえで欠かせない活動です。
 そのため、納得できないことがあっても簡単にはその関係性を放棄できず、ひとまず関係を維持していくことが最優先になります。  
場合によっては、生まれ育った家庭もここにあてはまるでしょう。
 そのような環境や状況においては、具体的に下記のような対応を求められやすいです。
 ・ 相手や環境に納得できないことがあっても、我慢をすること
 ・ いつも周りと円滑なコミュニケーションをとること
 ・ 自分の好みにかかわらず、決められた役割や責任を果たすこと
 ・ 個人の希望や成果より組織やチームの目標達成への貢献
 ・ 感情的になりやすい場面でも、冷静に対応すること

 これらから大きくはずれる言動を取ると、その組織やチームが破綻して、自分自身もそこにいられなくなってしまいます。
 つまり、ほとんどの社会生活は「他人に合わせる」ことで成立しているといえるでしょう。
 逆に「他人」の枠を超えて付き合うような、深い信頼関係は基本的に求められませんが、自分の意見や希望より周りとのバランスを保つことが重要になります。
 みなさん、いつもこんな感じではありませんか?
 「いつも職場で上司の顔色をうかがっています…。」
 「組織のなかで生きていこうとすると、どうしてもそうなりますよね。」

婚活はまったくの他人から生涯の伴侶を見つける、特別な活動

 もちろん、結婚相手を探す婚活においても、ほかの社会生活と同じように「相手に合わせること」などの協調性が大切なのは間違いありません。
 ただ、婚活は「どこの誰かもわからない人との出会い」から始まるのに、その人が「今後何十年も人生を共に歩む結婚相手」という、親より関係性が深いともいえる配偶者になる活動です。
 単に「相手に合わせる」だけでなく、何十年も一緒に過ごしていくなかで、簡単には壊れない信頼関係やお互いにストレスが溜まりすぎない関係を築いていく必要があります。
 具体的には、下記のような深い関係性が求められるでしょう。
 ・ お互いに相手のことを自分ごととして考えられる
 ・ 何か納得できないことがあっても本音でしっかり向き合える
 ・ お互いの気持ちや考えをかなり共有できる
 ・ 利害や条件より心でつながっている
 ・ 将来のビジョンや金銭管理についての価値観を共有できる

 このような深い関係性がなく、表面的に相手へ合わせているだけでは、長く幸せな結婚生活を送ることは難しいです。
 つまり、婚活は「まったくの他人」から「生涯のパートナー」を見つける特殊な活動といえます。
 この点を意識することで、婚活でどのような視点を大事にしていくべきかがはっきりしてくるでしょう。

婚活は、他の社会生活と大きく区別して取り組もう

 「ほかの社会生活」では、イヤなところがたくさんあっても、相手のいいところを見て、なんとかバランスを取っていく必要があります。
 しかし婚活では、自分と一心同体ともいえるパートナーになるため、相手のいいところ探しだけでは不十分で、心から信頼し合え、助け合え、向き合える関係になれることが欠かせません。
 優しすぎる人はこの2つをごちゃまぜに考えてしまい、前向きになれない相手にも「優しいときもあるし…」「自分が考えすぎかもしれないし…」などと理由をつけて、関係をズルズル引っ張ってしまう傾向が強いです。
 率直にいいますと、「ほかの社会生活」ではとにかく関係性を維持することが最優先になってしまいますが、婚活では目の前の相手と関係性を無理に維持する必要はまったくないのです。もっと、自分に正直になりましょう。
 むしろ、そうすることで、結果的にお互いの貴重な時間を浪費してしまうことにつながってしまいます。
 だからこそ、優しい人ほど婚活を「ほかの社会生活」としっかり区別して、下記のようにメリハリをつけた判断をしていくことが大切です。
 
 ・ 相性が合わなければ、会話を無理に盛り上げなくていい(ただし、無礼な態度をとってはいけません)
 ・ 本質的な点で違和感があったら、すぐに交際を終了させる
 ・ 前向きになれないのに「いいところもあるし…」と考えるのは危険
 ・ 「もっと会っていけばよくなるだろう」という安易な期待は禁物
 ・ 「この人を逃したら、もういい出会いはないかも…」は思い込み

 このように心がけることで、時間の浪費を防ぐだけでなく、前向きに思えない出会いを続けるストレスもかなり減ります。より良いご縁に恵まれる可能性も高まるでしょう。
 結婚生活は婚活と違ってとても長いので、中途半端な関係性や気持ちで結婚すると大変なことになってしまいます。

まとめ

 今回は婚活における、普段の社会生活との違いをお話しました。
 普段の社会生活との違いが判ったと思いますので、少し自分を考えて婚活を進めて欲しいと思うのです。
 だから、婚活では、「間口は広く、判断は早く」という考えで進めて欲しいのです。それが、あなたの婚活でより早く、深く信頼し合える相手と成婚する道なのです。
 弊社の相談員は、人生経験も豊富で、また、さまざまな人と接し続けてきています。ぜひ、いろいろなことを相談し、ご自身のより良い結婚に結びつけてください。

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